ちょこっと「体操・運動遊び」
教えて!賢人 FFGグループmymoにご紹介いただきました
小学中学年の子どもが、私の遺伝なのか、体育が苦手で困っています。運動能力って、持って生まれたものなんでしょうか?いまさら足を速くしたり、鉄棒が得意になることって無理でしょうか?体育の時間を楽しく過ごせるようにするにはどうしたらいいのか、アドバイスをお願いします。
子育ての賢人
(株)MIKI・ファニット代表取締役
太刀山 美樹
芯の強い子を育てる運動教室『MIKI・ファニット』(福岡市)代表。運動と教育を組み合わせた幼児教育のスペシャリスト。「子どもは大人の背中をみて育つ」が持論。教育コメンテーター、近畿大学・西日本短期大学保育科講師、日本健康運動指導士会福岡県理事。
A1 まずお母さんをはじめとする周囲の大人に気をつけてほしいのが、「私の遺伝だから遅い」などという何気ない言葉です。誤解されていますが、足が速い、遅いに遺伝はあまり関係ないんです。骨格や手足の長さや関節の柔らかさなど、身体的な特徴は遺伝することもありますが、学校の体育の時間を楽しく過ごすための運動能力に大差はありません。それより、小さなころから体を動かしているかどうかが大きいですね。あまり外で遊ばずに体を動かしていないお子さんの場合は、体の使い方がうまくできずに体育が苦手になることがあります。また周囲の何気ない言葉も大きいです。「上手じゃないよね」と言われることで、自信がなくなってしまうと萎縮して筋肉が固まってしまいます。「親に似て足が遅い」という言葉は、親の側からは慰めを含んでいるのですが、子どもは自分が足が遅いと思い込む場合も。言葉から苦手意識が生まれてしまうことも多いんです。また、スタートが苦手というお子さんもいます。ピストルや笛の音が怖いために体がビクッとして、筋肉が固まってしまうんです。
足を速くする方法はあります!走るのが遅いというのは、体の使い方が上手くできていないからです。足を高く挙げるようにする、走るときに手を大きく振る、走るときにこうした動きが自然にできるようになれば足は確実に速くなります。家でやれる方法としては、例えば部屋に障害物をおいて、自然と足を高く上げるように工夫してはどうでしょう?それこそゲーム感覚で親子で楽しむといいかもしれません。また週末は一緒に出かけるなどして、バランスよく体を動かす機会を増やしてあげることも大切です。今からでも十分間に合いますので、ぜひ試してください。
A3 鉄棒も同じです。逆上がりの場合、苦手な理由は、鉄棒そのものが怖い、クルッと回転するのが怖いというお子さんが多いです。なかには、触った時の鉄棒の感触が苦手という理由も。これらも、鉄棒にぶら下がって遊ぶことで鉄棒への恐怖が薄れれば大丈夫。あとは踏み切りや回転のコツを覚えるだけです。鉄棒に限らず、運動は慣れることが一番大事です。
室内でゲームをするのが好きなお子さんに、急に外で遊べといっても無理ですし、本人が辛いですよね。ゲームが好きなら、そこは認めてあげてほしい(笑)。ただ、「体を動かすことはもっと楽しい」ことを本人が体験することが大切。親が率先して楽しんだり、または手前味噌ですが(笑)遊び感覚で運動を教える、うちのような教室に来るのもいいかもしれません。親子だとイライライして子どもへのNGワードが飛び出したりしがちですので、プロに預けてしまった方が楽ではありますね。とにかく、子どもが「体を動かすのって楽しい!」と思える機会を増やしていきましょう。
今からでも足を速くしたりできるんですね!小さなころは外でよく遊ぶ子だったのに、私が「運動が苦手」という固定観念を植え付けてしまったかもと反省しました。子どもと一緒に、教えてもらったトレーニングをやってみたいと思います。