ちょこっと「体操・運動遊び」
FFGグループmymo 教えて!賢人に紹介いただきました
小学校高学年と中学生の子どものお小遣いで悩んでいます。お金の大切さを知ってほしいのできちんと決めたいのですが、どれくらいが妥当だと思いますか?また、お小遣いの額を子どもに納得させる方法ってありませんか?
子育ての賢人
(株)MIKI・ファニット代表取締役
太刀山 美樹
芯の強い子を育てる運動教室『MIKI・ファニット』(福岡市)代表。運動と教育を組み合わせた幼児教育のスペシャリスト。「子どもは大人の背中をみて育つ」が持論。教育コメンテーター、近畿大学・西日本短期大学保育科講師、日本健康運動指導士会福岡県理事。
A1 ご家庭の方針は、どれが正解というのはありませんので、お小遣いはご家庭ごとに決められればいいことです。でも、実は金額を決めるよりも大切なことがあるんです。それは子どもと「話すこと」です!それも金額の話し合いではなく、子どもから、ほしいものや必要なものを挙げさせてみることです。子どもですから現実離れしたことを言いますが、親は怒らずに我慢をして聞く(笑)。その上で、話し合いましょう。子どもが主張するほしいものや必要なものについて親が納得できれば、額は自然に決まります。心配なら、周囲の方におおよその額をきくなどして、情報を集めておくのもいいでしょう。
出典元:Tomwang112/iStock/Thinkstock
A2 うちでは小学生のころからプレゼン制でした。中学のときに1000円×学年にしたこともあるのですが、本人の希望で元通りに。ところが、子どもが高校生になって初めて携帯電話をもたせたところ、月額9000円も使ってしまったことに親としては愕然としまして・・・。将来は1人暮らしをしたいと言っていたので、その点も心配でした。そこで「1人暮らし」にどれくらいお金がかかるかを本人に計算させてみたところ、月35万円!子どもの”夢の1人暮らし”と現実のギャップの大きさに危機感を覚えました。そこで、通学費、参考書、携帯電話、被服、食事代など、高校生活にかかると予想される経費を本人に計算させました。こちらは”夢”ではなく現実ですのでかなり削って、その結果が100万円でした。その上で、一括100万円と今まで通りの2案を提案したところ、子どもは一括案を選びました。
A3 結果をいえば、100万もらった子どもは3年間、自力で管理し通しました。3年目はかなり厳しく、参考書代以外の出費はほぼありませんでした。優先順位を立ててその月に必要な物を取捨選択して買い、あるいは我慢して過ごした3年間があったから、大学での一人暮らしは心配せずに送り出せたと思っています。このやり方にはもちろん賛否両論あるんですが、私自身はやってよかったと思っています。ただ、親としては放置をしながらもいつも見ていましたし、状況確認はしていました。親子関係の適正な「距離感」を、うちではこの3年間で作ることができたような気がします。ですから、変わったのは子どもだけでなく、親子関係もですね。
A4 お金の大切さについては、小さな頃からの積み重ねが大切だと思います。子どもが小さいうちからできるだけ一緒に八百屋やスーパーに行って、商品に支払われるお金を見せておきましょう。例えば通帳に記された1万円と、生活の中で実際に使う1万円はまるで違います。現実としてのお金を遣える機会を増やしてあげるのも必要だと思います。後は自分で管理する機会を設けることですね。3年間でなくても、半年、2ヶ月のようなもっと短いスパンと少ない金額でトライするといいかもしれません。
「今日はお小遣いについて話しましょう。あなたはお小遣いで何がほしいの?何が必要なの?」今度、子どもにこんなふうに聞いてみようと思います。太刀山さんのように100万円を実行する度胸はないけど、子どもがお金の管理をできるようになるためにも、任せる、信頼することはとても大切なのですね。