ウエルビーイング
馴染みの店、ありますか?
その店で、店員さんと会話をしていますか?
私は東京に行くと、日頃ひとり暮らしをしている夫が毎朝通うJR山手線駅構内のカフェで、彼と一緒にモーニングを食べるのが楽しみです。(2拠点生活をしています)
そこで、あることに気づきました。
50代くらいの女性店員さんの前には、シニア男性が列をなすのです。
彼女の接客が朗らかなのも理由のひとつ。でも、それだけじゃありません。
朝の忙しい時間帯にもかかわらず、彼女は笑顔と共に、常連さんらしき方々にひと言、言葉を付け加えるのです。
杖をついた男性には
「きょうは(パンを)温めますか?」
初老の男性には
「きょうも(コーヒーを)アイスにしますか?」
この「きょうは」のひと言が、なんだか特別感を生むのです。
「ああ、覚えてもらえてるんだ」と、嬉しくなる瞬間。
さらに、昨日も同じメニューを頼んだ人にはこんなひと言。
「これ、おいしいですよね。」
その言葉でお客さんの表情がフッと和らぎ、店中が少しだけ暖かくなるのがわかります。
もちろん、こういうやりとりを苦手に思う人もいるかもしれません。
でも、ほんのひと言で心が軽くなる瞬間があるのは確かです。
私もあの店員さんのように、ちょっとしたひと言を自然に伝えられる人になりたいと思いました。
「今日は調子どうですか?」とか、「これ似合ってますね」とか。
そんなひと言が、誰かにとって「ふたこと目が出る関係」を生むきっかけになるかもしれません。
そう思い返していると、自分がひっそり続けていることを思い出しました。
マンションの管理掃除の方に、朝「おはようございます」と声をかけたあと、「いつもありがとうございます」や「おかげで気持ちよく暮らせます」と付け加えることです。
そのたびに、ハッと笑顔で振り返られるので、なんだか私も気持ちよく一日を始められます。これもまた、小さな「ふたこと目」だなと感じました。
実は、これはフレイル予防の話で聞いた「なるほど」と思ったアドバイスにもつながります。
「ふたこと目が出る関係をつくりましょう」と。
どういうことかというと、一人暮らしになると話す相手が減り、つい家にこもりがちになる。
そんな時、喫茶店にまず行ってみるといいんだとか。しかも、ただ行くだけじゃなく、毎日同じ場所に、同じ時間に、同じメニューを頼む――これがポイントらしい。
そうすると店員さんがそのうち覚えてくれて、
「いらっしゃいませ」に続いて「今日は寒いですね」なんてふたこと目が出てくる。
それだけで、人と話すきっかけが少しずつ広がるというわけです。
そんなことを思いながら、今日も私はカウンターそばの席でコーヒーを飲んでいました。
さて、明日も同じ時間に、同じメニューを頼もうかな――
ほんの少しだけ話を広げたくて
写真は東京のカフェではなく
大分県日田市で見つけた【HITABAヒターバックス】
思わず2度見しちゃいました。。