ウエルビーイング
MIKI・ファニットの古庄です。 誰しもやってくる「理想の最期」について考えてみませんか?
まずは私の話から。私の理想の最期は、ちょっとした不注意から起こります。「あれ?なんで」という疑問を持つ暇なく、ふとした瞬間に突然やってきます。周りの人は言う「好きなことして、あちらに行ったね。まさかコレでね…」と。
葬儀は家族葬で。出棺の時、BGMはウルフルズの、♪ええねん。「ええねん!」と拳を天井に突き上げ、送り出し、樹木葬でお願いします。と、息子のお嫁さんと話していたら、「美樹さんらしいです。ノートに書いててください」と笑われる。
数年前に私は、土葬の風習が残る長崎県黒島を旅して、土葬が今もあるんだと驚いたことがあります。黒島の旅はこちらから その時も自分の最期、そしてどう生きるを考えました。
実は葬儀を疑似体験してきました。2024年2月、東京江東区にオープンした「終活スナック めめんともり」。ここは、生や死について気軽に話し合える場所。ママさんは母の死をきっかけに海洋散骨の会社を起業し、たくさんの人の死と向き合ってきた方。「カラオケないけどカンオケあるよ」のキャッチコピーに興味をそそられ、オープン翌日に行きました。
カウンターで切り盛りするチーママの別の顔は棺桶デザイナー。家に飾りたくなるポップな飾りがついた位牌や棺桶をデザインしている。その作品のひとつで、藤で編んだ赤ちゃんが寝るクーファンのような、籠の棺桶が置いてあり、希望者は有料で入棺体験できると聞いて、「私は東京まで来たんだから」と、怖いもの見たさで手を挙げた。いざ靴を脱いで、チーママの促すままに、蓋をあけ棺の中に横たわる。顔の周りにお花を一輪ずつ飾ってもらう。夫も花を入れてくれたはいいが、終始無言。「愛してる」を言えとは言わないが「ありがとう」の感謝の言葉もなく、チーママと一緒にとっとと蓋を閉じやがった。思わず起きがあり、「おい!!」と蓋を開けて言いそうになる。蓋を閉じられるとすぐに「あ、あたしは閉所恐怖症だった」と思い出す。怖くて一瞬固まるが、籠で隙間が多く外が見える棺桶だったので、とりあえず、そのまま静かに横になってみた。
その瞬間、不思議な感覚が訪れました。`ナンダコレ…` 周りの声が、どこか遠くに聞こえるのです。すぐそばに夫もいても手が届かない、`マッタク ベツノセカイダ…` 俯瞰して見てるような、全く別の世界にいるような感じがしました。
本番の時もこんな風に感じるのだろうかとよぎります。
確かウエディングドレスも、本番の予定なく早くに着てしまうと結婚が遅くなると聞いたことがあるが、棺桶も試しに早く入ってしまうと遅くなるのかな。美人薄命というが、時すでに遅し、美人の宿命=薄命とは言えなくなってしまった…。
「マスコミ以外で入棺した人はあなたが初めてよ」とママさんに言われつつ、体験を終え、カウンター席に戻る。左隣の方は、ディズニー映画リメンバーミーに出てくる、メキシコのドクロの器に入ったお酒を飲んでいる。左隣はダンディな60代の男性のかた。この方はいろんな葬儀社に研修指導をしている先生。「いい葬儀社の見分け方を知ってる?」とおもむろに聞かれた。
そのおじさま曰く、「ご本人に『どういう葬儀をしたいか』と話しかける葬儀社が良いところ」とのこと。「え?亡くなってるご本人ですか」不思議そうな反応の私を見て、「ご本人に話しかけると、言葉は家族に投影されるんです。例えば『お父さんはどんな風にしてもらいだろう?』とご本人の気持ちになって考えることができる。ご本人の立場になって嬉しいを、みんなで考えることで、お父さんはこんな人だったね。『ありがとう』と気持ちの整理がつきやすくなっていく。時と場合があるけど、拍手でおくってあげるのが理想だな」とのこと。
そういえば我が家でも、義理の祖母が108歳で亡くなった時、その土地では88歳以上で天寿をまっとうした人は紅白饅頭を配る風習があると聞き、ならば108歳まで生きて私たちの煩悩を持って行ってくれたはずだから、一回り大きな紅白饅頭にして配ろうと準備したことがあったな〜。
どんな最期を迎えるから、どう生きるか。これは究極のバックキャスティングです。前向きな終活だと感じました。このブログが、少しでも皆さんの考えるきっかけになれば嬉しいです。
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樹木葬でと思ったものの調べてみると、樹が途中で枯れることもある、土にかえるを重視して、骨壷に入れない散骨だと後から移動できないなど、トラブルもあることがわかりました。そこで、もし自分が入るならと情報を集めてみました。
1 合葬墓 福岡市が運営 デザイナー会社が企画し人気(令和3年にオープン)
2 自然葬アラカルト
①〜⑥それぞれリンクで飛べます
⑥宇宙葬 月・流れ星・手軽に風船も 1997年米国でスタート
ちなみに夫に「どれがいい?」と聞いたら、「樹木葬かな」と言うので、「私も樹木葬がいいんだけど一緒に入る」と聞いたら、「どっちでもいいよ」と曰う。「ココマデモ、別居ですか?」と思わず笑う。
土葬の話を冒頭に触れましたが、他にも
①鳥葬
現在の日本では鳥葬はできない。これは、刑法第190条の「死体損壊・遺棄罪」に抵触してしまうためです。
②風葬
沖縄県でおこなわれていた。遺体を専用の小屋や洞窟の内部に放置し風化させ、骨だけになってから洗骨し納骨する。遺骨はそのまま放置される場合も。
③獣葬(野葬)
獣葬(じゅうそう)は、野生の獣に遺体を与え自然へと還す葬儀方法。中世でみられた、獣の中には鳥も含まれていたことから、鳥葬に通じるものがあり。
④水葬
船員法では水葬も認められている。船舶が公海にあるときに船舶内で人が亡くなり、衛生上船内に保存できないと判断した場合は、水葬も可能