ちょこっと「体操・運動遊び」
教えて!賢人 に紹介いただいた内容です
幼稚園に入った息子が他の子をいじめていると先生に聞きました。おもちゃを取り上げたり、小突いて泣かせてしまったり…。家ではそんな乱暴なことはしないので、私もびっくりしてしまって。どうしたらいいでしょうか?
子育ての賢人
(株)MIKI・ファニット代表取締役
太刀山 美樹
芯の強い子を育てる運動教室『MIKI・ファニット』(福岡市)代表。運動と教育を組み合わせた幼児教育のスペシャリスト。「子どもは大人の背中をみて育つ」が持論。教育コメンテーター、近畿大学・西日本短期大学保育科講師、日本健康運動指導士会福岡県理事。
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A1 幼稚園に入る年頃の子どもには相手を思いやる気持ちも芽生えてきますが、それを上手く表現できずに乱暴になってしまうことも多いのです。友達や先生、おもちゃを独占したい、友達ともっと仲良くしたい、さびしい・・・小さな子どもの心の中ではそんな気持ちが交じり合っているんですね。
今回のご相談のように、子どもの様子や態度が、家庭と園で違うということは多々あるものです。いろんな意味で「さびしい」というか、幼稚園の先生をはじめその場にいる大人に「自分をちゃんと見てほしい」という気持ちの現れであることが多いように思います。「自分を認めてもらえる場所」「自分の居場所」だと分かれば子どもは安心するものですが、もしかしたら今は息子さんにとって、幼稚園での居場所が見つからないのかもしれません。
または、これはお母さんにあまりご自分を責めてほしくないのですが、下にお子さんが生まれた、また両親が仕事で忙しすぎるなど、家庭環境の変化が原因になる場合もあるかもしれません。
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A2 親としては「ダメでしょ!」「どうしてそんなことをしたの?」とストレートにいきたいのは山々ですが、少し角度を変えて「いま園ではどんな遊びをしているの?」など全体のことから聞き始めてはいかがでしょうか。そこから「よく遊ぶお友達はだれ?」「困ってることはない?」と、じわじわと核心に近付いていく。子どもには子どもなりに理由があるもの。つい「我が子が乱暴をした」という問題だけを見て追求しがちですが、そうした原因はどこにあるのか俯瞰して見ることも大事です。
子どもの話を聞いていくと、実は子どもの問題ではなく、お母さん自身の問題だったり・・・と、ご自分のことを考えるきっかけになることもあります。子どもって自分の鏡、家庭の縮図です。子どもは知らず知らず、サインやメッセージを出しているのかもしれません。ふだんから、ご家庭でその子と家族の会話に聞き耳を立ててみることをおすすめします。親が言っていることをそのまま話していたりして、面白いですよ(笑)。
A3 暴力を振るったりケガをさせたならもちろんのこと、悪いと思うときは謝りに行く方がいいですよね。「明日、謝りなさい」のひと言で済ませずに「一緒に謝りに行こうね」、なかなか「ごめんなさい」のひと言が出ない子には「ママが謝るのを応援するよ」と声をかけて連れて行きます。
ただ、少しの揉め事なら本人同士に解決させたいですね。そのためには、公園や習い事などでお友達と会う機会があれば、息子さんとお友達との様子をよく見て、息子さんにアドバイスをしてあげましょう。また、親同士が知り合いになっておくと話をしやすいので、幼稚園等で会ったときにお詫びとご挨拶をしておきましょう。
すでに相手の親御さんからクレームが来ている事態なら、こじれる前に即行動を。謝りに行く前には、どうしてそういうことをしたのか、子どもさんの話をよく聞いてあげてくださいね。その上で、一緒に謝りに行きましょう。
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A4 先生とよくコミュニケーションをとることです。先生方に、ふだん子どもがお友達にどんなことを話しているかを聞いてみてください。また、担任の先生ひとりではなく、違う角度から見てくれるほかの先生にも「プロの目で見て、私の気付かないところがあれば教えてください」とお願いしてみましょう。
このように、“みんなで子どもを見ている”状態をつくるといいと思いますよ。世界の多くの国では「子育ては集団でするもの」ですが、日本では「親がすべてやらなければ」と思い込んでしまいがち。幼稚園の先生方や地域の人たちに少し頼ってみてはどうでしょうか。
また、最近は幼稚園の教育理念や方針が明確で、園によって雰囲気もかなり異なります。合う・合わないの相性もあるので、お子さんの気質を考えて、入園前によく調べておくことも重要かもしれませんね。
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「子どもは家庭の縮図」ちょっと耳に痛い言葉で、思わず子どもを見て自らをかえりみてしまいました。本当にお友達にケガをさせないように、ふだんの言葉遣いや様子を見て、言葉にならない「子どもの気持ち」にもっと耳を傾けたいと思います。息子にとって、幼稚園が楽しい居場所になるように、親として努力しようと思います!