学んだこと
先日たまたま 他のダンススタジオを のぞく機会がありました・・・
そこではミキファニットでも、キッズレッスンをしてもらってる先生の大人クラスがあり、やはりココでも大人気クラス。
その日はハロウインレッスンで、仮装している参加者のみなさんはすっごく楽しそうで、外から眺めていました。すると
よ〜く見ると、「Kちゃん!!!」の姿を発見。わたしは嬉しくて、その様子をしばらく見ていました。
最前列で、リズムもうまくとって踊っています。
その1時間ほどして時刻は23時を過ぎた時間に、今度はまた駅の近くで、「楽しかったなあ〜」と、ニコニコ走っていく20代半ばのKちゃんを見ました
わたしはかつて8年間 自閉傾向のキッズクラスを見ていました
Kちゃんは、その時の一番小さかった男の子です。
幼稚園〜小学生までの自主サークルでした。開催する場所はお母さんたちより 「養護学校ではなく通常の施設で」とのリクエストを受けて、普通の体育館でしていました。
時を経てだんだん年齢が上がり、思春期に入ると落ち着かなくなる男の子達。
何かあると、子どもが小さい間はお母さんがぎゅっと抱きしめることができても、大きくなると母親より身体も大きくなり、そうもできなくて・・・
ある時、別の子どもサークル(健常児)の保護者に、あるメンバーがお茶をかけてしまったことがありました
何かイベントの準備があっていて、いつもより人の出入りがあったりの、違う状況にびっくりして起こしたことなのですが
その時のかけられた母親の横に父親からの言葉は・・・
「こんな危ない連中は首に縄つけて、家に結びつけ」
お茶をかけたのはこちらが悪いのですが、その言葉にさすがに・・・ わたしが何か言いに行こうかとしたらクラスのお母さんに止められました。
「これが現実で、この中でこの子達は今から生きていかないといけないんです。いつかは親も年をとります。
でも先に死ねない。(練習ではないけど)普通の施設でしようとみんなで話し合ったので・・・」
その時のお母さんたちの言葉は今も残っています。
このサークルは、上の学年の子たちが高校を卒業するまで続き、それぞれの道に進むということで解散となりました。
その後、わたしはKちゃんと、今から2年ほど前にも、ミスタードーナツで再開していました。
その時の様子も 嬉しくて2年前の当時もブログに書いていました
〜当時のブログより〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「このドーナツとこれともうひとつ本当は食べたいけど・・でもコレを買うとお金が足りないから、辞めます」
そう言いながら、レジでお金を払っていたのはおとなになった「Kちゃん」でした。
私がKちゃんの後ろで、ニッコニコしながら見ていたので、
ミスドのお店の方は????と、不審におもったことでしょう。
そして、買えたドーナツを食べている彼に話しかけてみると、私の事を覚えてくれていました!!
「知ってるよ。体操のみき先生だよね」
「仕事がおわってね、7時にスポーツジムに行くんだ。すこし時間がある時は好きなドーナツ食べていくんだよ」
「1月に誕生日がきて、25歳になったよ」
<仕事をしている>
<ジムにいって体を動かしている>
<好きなモノを楽しみながら自分で買い物>
〜〜ひとりで世の中を当たり前に暮らしていく〜〜〜〜
それは、まさにお母さん達が願っていたことでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
仕事をしている、ドーナツを買ってる、その様子がただ嬉しくて、
「そうなんだ」と見送って、あれから2年ぐらいか・・・
こんなに成長したんだな〜
『一人で』
仕事をして(今のドーナツは2個食べてるかは、わからないけど 笑)
趣味のダンスをして
23時すぎに駅に向かって、楽しそうに走って帰る姿を見て
胸がいっぱいになりました
『普通に暮らしてくれるようになるのがいちばんの願い』と言っていた
先に死ねない・・と言っていたお母さんたちを思い出しました
(もちろん みんなが同じように働けてる訳ではないかもですが)
この仕事をし続けていると、成長した子どもたちの姿に出逢える時があります
当時、わたしは、障がいを持った方の指導はまさに試行錯誤。
知識も経験も不足していて、手伝ってくれた先生方のおかげでできていました。
またその時の経験から多くの指導法を学びました
「始めますよ 集まって〜」 なんて声をかけても誰も集合してくれません
「あれして こうして」 なんて声かけでは伝わりません
どう伝えたらいいか?
的確に具体的に、言葉や顔つき、全身でと。あの手この手を考えていきました。
この障がいを持っている方に『わかりやすく伝える』というのは、シニアの方、子どもを抱っこしてバタバタしてる方、積極的でない学生に、言葉の通じない外国の方にも、そのままいろんな方にも同じことでした
アフリカや、デンマーク、アメリカでもか・・・、仕事で、旅先でも子どもたちに運動指導して、伝わったのはこの時の経験かもしれません
Kちゃん ありがとう
そして、今、彼と一緒に楽しんでくれてる先生、これからも彼をよろしくお願いします