子育てコラム
大学を卒業後、就職するも交通事故(両膝)をきっかけに23歳で結婚した私。
肩に力が入った主婦でした。子どもが小さな頃、いろんな物をすべて手作りしました。布絵本やおもちゃ、離乳食も洋服も…
時間もないのになぜそんなことを? 理由は3つです
①若い夫婦で財政が厳しかった
②ワンオペ育児のモヤっとを何かに没頭して吹き飛ばしたかった
③できた手づくりの品物を、子ども達が褒めてくれるので嬉しかった
20代夫婦、最初たしか10万代で、子供2人の家族4人で暮らしていたかと思います。(途中で社宅にそれでも苦しかった)
研究職の夫は家にほとんどいる事ができなかった。夜遅く帰宅し、ご飯を食べて寝て早朝にまた仕事へのような生活で
私も当時はMAXバタバタしていました
ある日、気づいたんです。このままじゃあ、子ども達によくない!!
それは…たまに早く帰ってきたパパに、娘が「び、びえ〜〜〜」と泣き出し、(いやいや、だれこの人?)人見知りをしたのです。
夫はガックリ肩を落としていました。
その時の夫の気持ちを想像すると
(家族のためにも、俺は精一杯頑張っているのに。まさか娘に。)
それを見た私の気持ちは
(ほら〜〜〜ねえ〜〜こうなったでしょ。早く帰って来ないからだよ。仕事と言いつつ宴会も多いし)
今だとこの懇親会でのコミュニケーション=『飲みミュニケーション』の大事さもわかるのですが、当時はワンオペのしんどさで、仕事や宴会なんだろうけど、早く帰ってきて……。と思っていたのです。
娘が泣く様子に苦笑しながら、内心、天罰じゃと意地悪にほくそ笑んだのです
しかし、このままじゃ、子ども達にいけないと思います。天罰なんて思ってしまうけど、夫が人より努力し、仕事も目一杯ガンバってるのも、頭の片隅ではわかっている。
さてどうする????
そこで。
帰りの遅いパパの存在を子どもらが感じていけるようにと考えました。
まずできるだけ昼間は、パパが「今何してるだろうね?」の話をするようにしました。
次に、そのパパの1日の様子を、私は下手な絵も書いて、パパ布絵本も作りました
そして子どもらが絵をかけるようになった時、子どもが書いた絵に、子どもの呟きを聞き取り、お話にして紙芝居を作りました。
この紙芝居は
娘4歳11ヶ、息子3歳5ヶ月のときのものです。
こんな前文からスタートしていました
むかしむかし、パパと ママと ももちゃんと りょうくんが すんでいました。
ももちゃんも、りょうくんも お話が上手 絵もとても上手でした。
でも2人は時々さみしそうでした。
それはパパが、お仕事で、帰りが遅く、朝もはやく、出張も多かったのです。
そこでママは、紙芝居をつくりました。
ももちゃんとりょうくんにとって パパが、そばに感じられるように、、
パパが子ども達を そばに感じとれるように
2人がつぶやいた言葉と、絵をつかって
「大すきなパパへ」とプレゼントを作りました。
「ももちゃんのパパ りょうくんのパパ」
作・絵 たちやまりょう たちやまももか
ももちゃんのパパも めがねをかけている
りょうくんのパパは ひげがついている
りょうくんのパパは ゆるしてくれる
ももちゃんのパパは おこっていてもゆるしてくれる
りょうくんのパパは いつもかんがえている
りょうくんのパパは おさかなとってくる
りょうくんのパパは おててのよごれとってくれる
ももちゃんのパパは あたまもあらってくれる
りょうくんのパパは かえってくるのがおそいんだよ
ももちゃんのパパも かえってくるのがおそいんだよ
りょうくんのパパは あそんでくれる
りょうくんのパパは ねるのがはやい
ももちゃんのパパも ねるのがはやい
ももか4歳11ヶ月 りょう3歳5ヶ月
できたこの紙芝居の題名は、はじめ「ももちゃんのパパ りょうくんのパパ」でした
出来上がったこの本を読んでみせると、娘のももかが私を見て、にっこり言いました。
「あのねママにもね、ももちゃんのパパ、かしてあげるよ」
その言葉がすごく嬉しくて 可愛くて
「うわ〜ありがとう! じゃあ、パパをお借りするね」と、題名を変えました
「ももちゃんのパパ りょうくんのパパ ママのパパ」と、
“ママのパパ”を加えたのでした。
この紙芝居を、今、大学保育科の講師をしている目線で見るとまた面白いです。
子どもの発育発達が見えてくるのです
弟の呟きに、負けたくない1歳6ヶ月年上のお姉ちゃんの娘が、「私なら、もっと言葉を話せるよ!!」と言わんばかりに話しかけてくる、語彙の微妙な言い回しの違いにあらわれています。
そしてもうひとつ、帰りが遅いパパに対して、妻である私が一番さみしかったんだな。
それが、娘の言葉に現れたのではと思います。
娘って、同じ女性として、母親の心理を読むのが得意なのかすぐに気持ちがバレてしまいます
「ママにもね、ももちゃんのパパ、かしてあげるよ」
その言葉は、時折見せる私の寂しそうな姿に気が付いていたのかもしれません。
娘の言葉が嬉しくて、題名を変えた私、よく見ると、後から加えた文字の大きさが違います。
特に結婚して最初に住んだマンションは隣近所にどなたがいるかわからず
友人になるきっかけもつかめず、孤独でした
友人たちはバリバリ仕事をしてる人が多く、孤独を感じていました
夫に話がしたかった、大人の会話をしたかったのだと思います。
(この時の思いが、のちに親子の運動サークルを作っていくきっかけになります)
そんなパパを応援したくてこの絵本を作ったんだな、今つくづくそう思いました。
最後まで読んでくださったパパのみなさんへ
働き方改革と言っても、どうしても忙しい時期もあると思います。
量も大事だけど、質こそ大事、たとえ短時間でもコミュニケーション。
ちょっとした親子のふれあい、会話はやはり大事です
それは子どもにもですが、妻にも大事。
妻には恥ずかしいという方もいるけど、大事ですよ〜
まずは帰宅したら、ぜひパートナーを、後ろからぎゅってしてあげてくださいませ。
その姿を見てる子ども達はにっこり、なりますよ。
実はちょっと怖いデーターもあります
この時期の夫婦関係がその後の卒婚に繋がっていくというデーターもあるのです
そのお話はまた次回に
6月は父の日がありますね。
福岡市早良区高取と西新にて、「パパの子育て講座」に伺います
また八女の「広川幼稚園の保護者講演会」、早良区の「城南高校の保護者講演会」も、いずれもパパの参加が多いとか
何か私でお役に立てたら幸いです
西日本新聞ファンファン福岡にもコラムを書いています