旅先
このコラムは、ファンファン福岡に掲載いただきました
芯の強い子を育てる運動スクール「MIKI・ファニット」代表の太刀山美樹です。
2018年夏、3776mの富士山に登る事ができました。
「日本人に生まれたのなら、一度は登りたい富士山。けど、登れる自信がない」と思い続けていた私でした。
山頂やった〜
登頂 出来たのは、なによりも仲間のおかげです。
今回は、私のように初めて富士山登頂を試みる方の参考になればと思い、富士山登頂までの軌跡をご紹介します。
私たちは、初心者に人気の吉田ルートに挑戦。
5合目で、このラーメンを食べてからのスタートです!
この登山で一番印象に残ったのは、『雲と自分』との位置の変化です。
雲はいつも頭の上に見えるものと思っていました。が・・・
ずっと下に見える。
『自分の足』で登ることで、位置が変わってくるのです。
届くわけがないと思っていた雲に届き、下に見えはじめ、遥か下に。いつの間にか目的地に辿り着く。
< ティチャー>
自分の限界に挑戦でした。木がなくなり、草がなくなり、土の色が赤い砂に変わる、岩場になる。
歩く一歩の足は重たい、息が苦しい。
途中で雨に降られ、風に煽られ、砂埃に目がしょぼしょぼ。
「山」に登りはじめたのもわずか1年前という私が、そもそもなぜ、富士山に登ろうと思ったのか?
1000m越えの経験は、九重でしかありませんでした。
毎年夏に富士山を目指す友人に誘われても、学生時代に前十字靭帯の手術したこともあり)無理と断っていました。
そんな時、友人に言われます。
「いつか登りたいってさ、いつか登るつもりなら、今が一番若いやん」
私が富士山に登るきっかけの言葉をくれた友人(ピンクの帽子の彼女)
「確かに…」と納得した私は、富士登山を10日前に決めたのでした。
初心者である私の不安点は、大きく3つありました。
1.本当に最後まで歩けるのか?
2.高山病にならないか?
3.その他
そんな私が登頂できたのは、登る前から登山中に至るまで、いろんなサポートを受けられたからです。専門家のアドバイスでもらったのは
1.『歩き』がもつか対策(私は膝の後遺症が若干あります)
⇒脚部の道具を揃える
・ゴアテックスパンツ
・スパッツ cwx (すっごく締まる ワコールのスポーツウエア)
・靴 インソール 靴下 ポール
・膝のサポーター
・ テーピング(指が当たるところを巻く)
・ 歩き方(ラリーグラスの梅木さんに歩き方や靴の履き方)を習う
2.高山病対策
・出発前日に、福岡にて低酸素トレーニングルームに入る
・酸素缶
・行程に時間の余裕をもち、体を高度順応させる
・睡眠、食事をちゃんととる(山小屋で眠れなくてもとにかく寝る)
3.その他(初心者の私が何度も聞いた質問や実際の体験を踏まえて)
Q 荷物はどのくらい持って行くのがいいか?
→ 4回チェック。ネットの一覧表で。山登り専門店で。行く前日に友人に見てもらう。登る直前に見てもらい荷物を減らし、着てきた着替えなどと、余分なものは、五合目のロッカーに(500円の大ロッカーに4人分荷物を入れる)
Q もう登れないとなった時に、人に迷惑をかけないためには?
→ 下山するルートは別にあり、合流地点があり、そこから下ることが出来ます。
Q お金はどのくらい持って登るの? トイレはどうするの?
→ 入山料に1000円、トイレは(吉田ルートが一番充実)200円、山頂でのぶた汁800円、水500円、神社お参り用と、使ったのはこのぐらいでした。
Q 寒いの?暑いの?
→真夏なのに山頂にはつららです。寒暖の差は大きかったです。
Q 山小屋は知らない人と、くっついて寝るの?
→今回は、台風の余韻残る天候が悪いと言われていたためか、少しゆったり、このくらいのスペースでした。
Q 天気はやはり変わりやすいの?
「山の天気は変わりやすい」の通り、雨が急に降る、面白い雲が出てくる。
「天候対策は絶対怠るな」と言われていた意味がよくわかりました。
Q 時間はどのくらいかかるの?
これは初心者用プランですが、当初プランでは、23時半に7号目山小屋を出発し、ご来光を見るというものでした。
<8月16日 行程>
7時発 福岡〜羽田 飛行機
10時半 新宿出発
13時 高度順応 着替え、コインロッカーに荷物を入れる
15時 神社にお参りをして出発
19時 7合目山小屋に到着 夕飯は「カレー!!」を食べる
19時半 就寝
23時 出発予定だったが、山頂で強風25mと、登頂を止められる
<8月17日 行程>
11時半 下り始める
15時 5合目に到着。着替え
16時 吉田口富士5合目〜 バス出発
20時半 新宿に到着
※ここで飲んだ麦酒は最高でした~~!
準備から当日の動きのサポート、ラリーグラスやモンベルのアドバイス、何より一緒に登ってくれた、みなさまのおかげで、どうにか登頂下山できました。
福岡に戻った翌日、息子に誘われて行ったのは、山の神さまへのお参りでした。
「神様、みんなで無事に帰れました。本当にありがとうございます」
脚はパンパンでしたが、心は満足。
この写真は帰りの飛行機で一緒のチームだった方が、偶然撮れたと送ってきてくださったもの。
「昨日ここに自分で登ったんだな・・・」とかみしめました。
最後に、私が富士登山で得たことを―。
(富士登山は)人生をじっくり考えるのに、すごくいい時間でした。
追い込まれた限界の中で、私の頭の中で浮かんだ言葉を紹介します。
「止まらなければいつかは辿り着く」
「キツイときこそ笑う」
「一緒に挑戦する人への信頼感と安心感があると、力となる」
「最後は自分で行くしかない、あとは自己責任」
「間に合わなかったらあとは自分で考える」
富士登山で得た経験はとても貴重な、素晴らしい機会でした。一緒に行った仲間に改めて感謝です。
最後に。特に印象に残ったシーンで数枚ご紹介させてください。
このような景色、自分の脚で登って確かめてみたくはないですか?私は、今でも目に焼きついています。
もし「いつか一度は行きたい」と思っているならば、一番若いのは『今』です。
写真協力 村井正典さん他
なまはげみき 太刀山美樹
福岡県筑後市出身。23歳で結婚出産。地域のママサークルが口コミで広がり、その後「きみ、おもろいね」とNHK福岡や、学校講師に、街角でスカウトされ経験を積む。2006年MIKIファニットを起業。「どうせ無理と諦めてる子いねえ~が!」と喝をいれる<幼児教育界のなまはげ>としても活動中。好きな言葉「来た球は打つ」
MIKIファニット http://www.mikifunnit.com
個人ブログ⇒https://mikitachiyama.com/blog